医療費控除の明細書

確定申告

医療費控除の明細書

2016(平成28)年分所得税の確定申告書までは、医療費控除を受けるためには、医療費の領収証を添付する必要がありました。

2017(平成29)年分以降は、「医療費控除の明細書」を作成し、医療費領収証は、自宅で5年間保存する制度に変わりました。

ただし、経過措置として、2017(平成29)年分から2019(令和元)年分までは、領収証を添付して申告することもできます。

医療費控除の明細書

紙ベースの用紙はこちらです。

医療費控除の明細書

こちらに記入することになります。

iryouhi_form_v3←エクセルファイルです。

これで、e-taxで読み込み可能です。

作成したら、自分のPCに保存して下さい。

各年分ごとに作成します。

生計を一にする同居のご家族の医療費を申告する人が負担している場合は、一緒に申告できます。

紙の明細書を作成するときは、領収書を一枚一枚記入する必要はありません。

各人ごと病院ごとに分類し、1年間の合計額を記入していきます。通院費は、通院回数を数えて、まとめて○回分「その他の医療費」にチェックして記入します。

医療費通知

健康保険組合から通知がある「医療費通知」

国税庁が見事に手のひら返ししましたね。

2016(平成28)年分までは、領収証がなくてダメ。健康保険組合からの「医療費通知」は領収証の代わりにはならないの一点張りだったのに、平成29年からは代わりになることになりました。

しかしながら、この通知は1月ー12月まで網羅した紙にはなっていません。

けっきょく領収証は必要になります。

「医療費通知」は、医療機関から保険組合に請求があって、支払った金額を通知するものです。

これと医療費の領収書と見比べて下さい。

特に、歯科医院の領収書。

自費しか払っていない歯医者なのに、ここに歯科医院の名前が出てきて、保険組合が払っているようでしたら、ブラックです。

あなたからは、3割の負担金をもらわず、保険組合からだけ7割もらっている証拠です。

それは、自由診療の範囲で治療している内容を、保険組合にも請求してもらっていることを意味します。

また、窓口では、600円を払った領収書があるのに、保険組合から医療費通知には、900円になっていたら、

300÷0.3=1000円

医療機関が、保険治療に1,000円上乗せして請求し、700円分もらったことを意味します。

いまは、電子レセプトが多くなって来ましたが、請求マシン(ソフト)を操作して、請求する医療機関は少なくありません。

わたしが、現役時代に調査した歯科医院は、自由診療のお客からは保険窓口金をもらわず、7割保険機関からもらっていました。電子レセプト上は、未収金のままです。こういう場合「医療費通知」には、あなたが3割払いましたという内容になっています。

自由診療

入院して部屋代を払ったり、歯科医院で自費の治療を受けたときの領収証は失くしてはいけません。

自由治療の分は、保険組合からの「医療費通知」には全く反映されていません

まとめ

年末調整関係の書類が、自宅に届く季節になりました。

医療費控除を受けるための領収証添付義務はなくなりましたが、確定申告したものの保存義務はあります。それも5年間です。

また、保険組合からの「医療費通知」は保険診療を受けたものしか記載されていませんし、1月から12月まで網羅してません。

歯医者さんの自費診療や入院したときのお部屋代などは自由診療が多いです。

余談

領収証を提出していただいて時代は、歯医者の調査に逆利用してました。昭和の時代は、これがけっこうな資料になりました。ひとつの医療機関にたくさんの領収書が蓄積してくると手書きの癖が微妙に違ったり、番号があったりなかったり、いろいろありました。

さらには、

自分で医療機関の領収書を偽造した人もいました。高額な医療費の領収書を医療機関に確認のため照会するのですが、まったく違ったのです。でっち上げの領収書。犯罪です。

高校の教員をしている人は、家族のSuikaチャージと通学定期代まで通院費に入れて来た猛者がいました。バレないと思ったのでしょうか。驚くばかりです。

ある勤務医です。月に二度遠隔地の医療機関に新幹線でいきます。そこに勤務した日に診察を受けた医療費の領収書を申告して来ました。それだけならいいですが、通院費としてその新幹線代を付けてきました。勤務先から通勤費として支給されている交通費を医療費の通院費だとです。セコさに呆れました。