決算書類の保存
確定申告書に添付されて提出される「青色決算書」「収支内訳書」の保存方法が昭和の時代の方法と現在では、大きく違います。現在は、①紛失しない②持ち出さない ことがなにより重要とされます。
昭和の時代
調査選定にベストなバーチカルファイリングでした。
バーチカルファイリング
決算書を分類します
①事業所得を申告する人が提出したもの→町丁別完全名寄せ→個人別調査カードファイル
②①以外の人が提出したもの→町丁別完全名寄せ→個人別調査カードファイル
調査カードファイルは、バーチカルファイル方式
バーチカルファイルの並べ方は、住所の町丁別の完全名寄せです。
調査カードファイルの中は
青色申告申請書
専従者給与届
減価償却資産の償却方法の変更届
5年分の決算書
法定資料
法定外資料
などが入ります。
調査カードの表書き
7年分の課税事績を記載してました。
調査前、調査後、事後処理事績など
調査選定
選定するときは、
調査カードを一件ごとに検査します。
毎年の決算書が入ってますから、不動産所得の収入の内訳を見れば、昨年との比較がすぐ出来ます。
減価償却資産の金額が誤っているか、昨年、前前年比較が容易に出来ます。
事業所得者の決算書も3年並べて検討がすぐ出来ます。
資料せんを入れるときにすぐに照合出来ます。
調査選定にベストのファイリングでした。
今はしてません。
バーチカルファイリングをやめた理由
紛失防止。
このなんでも入っているカードをキャビネに保管せずに個人で管理するものがいたり、調査選定したものを統括官なり特定の者が特定のカードを別保管することが常態化してきました。
「○田▽男」のカード誰が持っていますか
選定リストにもないし、どこにあるんだろう
また▽山統括が別管理してるんじゃないの!
紛失防止を徹底するため保管方法を変えました
いまは
平成の中頃でした。一新しました。提出された順番に編綴します。まったくランダムに編綴されるため、使い勝手は、最悪になりました。単に編綴された書類綴りです。
申告書は
提出されたものを P R E Y に分類
Pとは、紙の申告書です。
Rとは、税務署内のPCでe-taxした申告書
Eとは、税務署以外のPCからe-taxされた申告書
Yとは、e-taxされたが、なんらかのエラーのために、電子処理が出来ず、キー入力になった申告書
次に
納める税金の申告書
納める税金がゼロ円の申告書
還付金が記載された申告書
4✖︎3=12
12分類されて、おおよそ25件毎くらいにバッチ番号を振り、OCR処理します。
バッチ番号順により、KSKシステムが台帳番号を払い出します。
この台帳番号順に編綴します。
現在この編綴作業は、確定申告期に採用したアルバイトに従事してもらってます。
決算書は
①事業所得を申告する人が提出したもの→申告書のバッチ順→OCR→編綴
②①以外の人が提出したもの→申告書のバッチ順で編綴
この編綴作業もアルバイトが従事します。
選定は
KSKによる祖選定を経て、おおまかな抽出をしてから、KSK処理された決算情報をPCで確認しながらの選定になります。
わたしは、現物の決算書を見たいので、一個づつ、現物をあたりコピーを取ることになります。
4年以前の書類は地下書庫や署の外書庫だったりします。
結果
紛失は聞かなくなりました。
まとめ
提出された確定申告書と決算書は、紛失防止を第一に、編綴保管されています。
免許証など身元が証明できるものとハンコを持って、税務署総合窓口へ出向けば、「閲覧」出来ます。