e-tax 受信確認が出来ない

確定申告
イラストAC

e-tax 受信確認ができない

2022年3月14日月曜日 お昼頃から、国税庁e-taxシステムで受信確認ができないというエラーが多発したという。

会場では悲鳴騒ぎになる

税務署勤務時代は、個人課税部門でしたから、この時期は、1月中頃から、来てもらっているアルバイトを申告会場現場で育て上げて、それこそ、スイスイと押し寄せる納税者を捌いてる3月14日だった。

そんな中でも、いろいろなトラブルに遭ってきた。

電源が落ちた

パソコンを並べている机の下には、 LANケーブル・電源ケーブルなどが這っている。電源を供給している電源タップの灯りがついているのが、面白かったのか、親と一緒に来ていた子どもさんが、タップをオフにしてしまった。しばらくは、充電があるから、パソコンは使えていたが、まず、プリンターが落ちた。

そして、入力中だったパソコンが次々電源が落ちて、真っ黒に。

会場からは「悲鳴」

まあ、電源を入れれば直ちに復旧しましたから、びっくりしたで済みましたけど、心臓に良くないです。

セキュリティーソフトのバージョンアップ

これは、冗談が過ぎました。納税者もほぼ満席状態で、いよいよ回転を上げてと意気込む10時に、突如配置パソコンで一斉にセキュリティーソフトのダウンロードが始まり続いてアップデート開始になって、それが数分で終わるような代物ではなかった。1時間以上かかるような事態に。

国税局にトラブル発生を報告するも有効な対応策はなく、全国のパソコンでも障害が出ていると。

結局

法人部門職員も動員して、紙の申告書を配って、アナログ申告作成会場になりました。

LAN配線トラブル

これは、開始して直後に発生しました。80台のパソコンを配備して20人のバイトで回す会場でした。熟練バイト一人には一人で4人の納税者に対応をお願いし、パソコンのキーボード操作やマウス操作が分からない方には代打ち対応。

都内でも有数の大規模会場で、それは、発生しました。

開始直後に、通信障害発生。インターネットが使えません。

原因不明。

これには、もう人力しか解決方法はありません。

申告書Bの紙申告書を配って、審査要員の個人課税職員、法人課税職員がやってきました。

原因は、LAN配線の間違いでした。

税務署の会場パソコンは、税務署だけでなく、さまざまな署外会場に持ち出して使われたり、研修に使われたりで、けっこう夜に取り外しや移動があります。
署外会場用に貸し出していたパソコンがいよいよ税務署に戻ってきて全台数を揃えての時に間違いが起きたのです。

受信確認ができないと

上記に書いてきた会場でのパソコンでの障害はいずれも送信側の障害である。しかし、今回の障害は、受信側の障害で受信確認が出来ない。

対応としては、e-taxの受信フォルダに送信データが入っているかを見ればいいのだが、税務署のパソコンでこの障害が出てしまったら、それはかなりきびしい事態だ。
なにより、パソコンに配置している方たちは、税務職員ではない。1月から来てもらっている非常勤職員(アルバイト)だったり派遣社員だ。そういうトラブル対応まで教えてない。
そして、税務署に配置したパソコンは、実は、識別番号だけで送信できる仕組みにしているからパスワードを知らない納税者ばかりだ。

だから、いまさら、e-tax受信フォルダにアクセスしてと言っても見ることは不可能だ。

だから、ひたすら、作成した送信データを閉じないで、何回も送信を繰り返して、受信確認が出来るのを待つことになる。1分もかからない送信受信確認が10分掛かっても出来ないから、申告会場の流れは止まってしまう。

税務署のパソコンでは、受信確認が出て、申告済のデータのプリントデータの受け取りになる。それが出来ないともうどうにも出来ない。

個人課税部門の職員でも確定申告書を手書きしないものがたくさんいる。申告書はパソコンで作るのが当たり前になってきている。署によっては、紙の申告書が少なくなっているところもある。まだ、署内会場なら、人力対応で、紙の申告書Bを配って、法人職員の応援もお願いしたいところだが、令和2年分以降の確定申告書は調整控除があったり、基礎控除が変動したりと複雑すぎる。

もう手書きしなくなった職員ばかりが来てもさっさと捌けるかと思いきや色々ありそうでこわい。

署外会場では

税務署内申告会場ならそういう職員対応でなんとかアナログ申告書でしのぐこともできるが、アルバイトや派遣社員と数人の職員で回してる署外会場では悲惨だ。
ただ、ひたすら、受信確認が出るまで、送信を繰り返すだけだ。

紙申告書を書ける人がいない。

おそらく、紙対応のために申告書Bの箱を持って、署から個人課税課職員が出向いただろう。

全国のどこでも発生した

これは、申告会場だけではない。各地の家庭でも各地の税理士事務所でも全国どこでも発生したのである。したがって、滞留し始めた電子情報がたちまち数万倍になって国税庁のサーバーに押し寄せるのだ。
流れていれば、余裕がある情報量なのだが高速道路のトンネルの入り口で滞留が発生するように遅れ始めた歪みが何倍にもなって数秒後に押し寄せるからさらに積み重なり数万倍に数千倍数万倍となる。

税務署のパソコンでなく、家庭や税理士事務所だったら、受信フォルダ確認は、パスワード、マイナンバーカード、リーダーライタ、マイナポータルが使えるスマホで出来るが相当混乱しただろう。

3月15日が無事に始まり終われることを祈るばかりだ。

第四報

3月15日を迎えて第四報が出ました。

「e-taxの障害による申告・納付期限延長申請」と記載して3月16日以降の送信や紙ベース申告の期限内申告扱いにするという内容だ。この方法による延長申請ができる期限についてこれから発表になるようだ。

青色申告特別控除65万円を取るためにB/Sつけて青色決算書を送信している人たちを想定しているだろうが、私が現役の頃は国税庁作成コーナーでは3月16日以降だと65万控除にエラーが出たがこれは出ないようになっているのだろう。