芸能人の無申告(個人事業主の場合)

特別調査

芸能人の無申告(個人事業主)

収入が1000万未満の報酬のあまり売れていない芸能人の無申告について書いてみます。

1000万円を超えると、消費税の申告義務があるので、一応の線引きとしました。

収入があまり多くない芸能人にとって、確定申告は、実は待ち遠しいイベントでもあります。

それは、確定申告すると還付金があるからです。

まとまったお金が手に入るので、無申告のままやり過ごす方は稀です。

還付申告の期限は、5年なので、領収証の整理ができないとか、一日延ばしする人は無申告になります。

無申告になっても、税務調査は、入りません。

還付申告になるからです。

還付申告になる人は、3月15日過ぎて、申告書を提出してもペナルティはありません。

税務署は還付申告になることが分かっている調査はしません。

収入は源泉徴収される

受け取る報酬が、所得税法204条に規定される報酬料金に該当するため、所得税10.21%(復興税プラス)が引かれて払われます。

一回に受け取る金額が100万円を超えると超えた部分は20.42%の税率になります。

1年間に支払われた合計は、翌年1月に支払調書に表現されて支払者から交付されます。

そこには、1年間の収入を意味する支払総額と天引きされた源泉徴収税額が記載されてます。

収支内訳書

収支内訳書

青色申告者でない者は、上記の収支内訳書を作成することになります。

収入は、支払調書に書かれているのでそのまま記載しますが、「闇?」収入がある人は、これも加算して記入します。

悩みは、

「必要経費」

目の前にある領収証を集計して作成していくわけですが、それは、みんな多く計上したいですよね。

だけど、どこまで書いていいのかわからない。

電卓が得意でない人もたくさんいるでしょう。

一年分なくて中途半端なものしか手元にない。

ここができないと「明日やろう」「来週やろう」「できなかった」となります。

住んでるマンションの半分を事務所として落としたり、水道光熱費の一部を計上したり、携帯電話料金、旅費交通費、接待交際費、研究費、舞台衣裳、などなど計算できたとしましょう。

確定申告書B

申告書B第1表

下に記載事例を貼ってみました。

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ざっくりとしたものですが、900万の収入で源泉税が90万の事例です。

必要経費を引いて300万ほどの所得になったとしてます。

計算された申告納税額は、70万余の還付金になりましたl。

こうなるので、無申告になる人は少ないのですが、必要経費の計算をある意味一生懸命にやりすぎる真面目すぎる性格の人は、先送りしがちです。

昭和の時代

昭和の時代には、暗黙の(暗黒ではありません)標準率がありました。白色申告の人たちには、便利なものでした。

収入の大きさにより、所得率が決められており、領収証がなくても、申告できたのです。

必要経費の計算に頭を悩ませなくて済むので、それはそれなりに大変便利な制度でした。

これによって申告していれば、真っ当な申告として認められるのですから、多少多めに払っても税理士に頼むお金や領収証を集める手間もないし、喜ばれる一面がありました。

しかし、青色申告制度を普及したい国税庁としては、ここで甘んじているわけにはいかないとして、この標準率をやめました。

まとめ

1000万未満の源泉徴収された報酬料金の支払調書を貰っている芸能人は、還付申告になるので、無申告になる人は少ない。

それでも、収支内訳書を書かないと申告できないので、遅れる人はいます。

遅れて3月15日過ぎても、還付申告にはペナルティがない。

税務署は還付申告になる人が、無申告でも、税金を返すための、調査はしません。

超ズボラ、超面倒くさがりは、いつまでいつまでも申告しません。

源泉徴収された税金を返してもらわないままになります。

こういう人が間違って法人を作るとたいへんなことになります。

法人へ支払う報酬は、源泉徴収されないからです。

赤字決算でなければ、当然、支払う申告になります。